強ヘリ(つよへり)強いぞ。『ブラッド・ダイヤモンド』

邦題:『ブラッド・ダイヤモンド』
原題:『 BLOOD DIAMOND 』
製作会社:ワーナー・ブラザーズ バーチャル・スタジオズ
監督:エドワード・ズウィック(『ラスト・サムライ』)
出演:レオナルド・ディカプリオ ジェニファー・コネリー ジャイモン・フンスー
日本公開:2007年4月7日

例えばジェームズ・ディーンさんが事故に遭わず、今も生きていたとしたら(クリント・イーストウッドさんの一個下だよ)?彼の主演した三作品がこれほどまでに語り継がれることはなかったでしょう。例えばレオナルド・ディカプリオさんが『タイタニック』を残してこの世を去っていたら?でも生きている、生き続けているので、この世界で一番稼いだ(米国だけで六億ドル、世界で十八億ドル)映画の主演俳優という看板を背負っていかんといかん。”金髪の可愛い口の大きめな男の子”なイメージから次に進むのには大変な労力を要しているはず。一方ファンはそんな変化を望んでいなかったりするから難しい。「過渡期だなあ」とこの映画を観ながら何度か思いました。物語はアフリカのシエラレオネを舞台に、ダイヤモンドを巡るいろいろ。レオナルド・ディカプリオさんはアフリカで生まれたダイヤモンドの密輸業者を演じています、いわゆる悪役。ダイヤモンド(金)のためなら嘘をつくし人だって殺す。ここに内戦に巻き込まれて家族と離れ離れになった漁師役のジャイモン・フンスーさんと、世界三大眉毛クッキリ美人(あとの二人は知らない)の一人、ジェニファー・コネリーさんがジャーナリスト役で加わり物語は進みます。あなたが手にしたダイヤモンド、あなたがショウウィンドウでうっとり眺めたダイヤモンドは、どのような経緯を経てそこにあるのか。……でもキレイ、猛烈欲しい、欲しすぎるダイヤモンド。ダイヤモンドの利権を巡って内戦が起き、幼い子どもたちも兵士として教育され人を殺す、殺しまくる。政府と反政府ゲリラの戦闘が何回か描かれますが、拮抗した場面にはならず、圧勝か完敗。まあ実際はそんなもんなんでしょうね。すんごい強いヘリコプターが出てくるところなんて、どうにもならん、人が死にまくる。……でも格好いい、猛烈格好いい、格好よすぎる。極限状態のレオナルド・ディカプリオさんは、それでもタプタプしており、ヒゲの生えかたも「わさっ」と密集せず、ちょびちょび生えて少年ぽさが見えたりするのは『タイタニック』の彼を愛するファン達の”念”に違いない。ジャイモン・フンスーさんは「わたしには何ら恥じるところはございません」的な真っ直ぐ演技をしていて、これが苦手なんですけど、いつもやってるから求められたものなんでしょう。でも”鬼”になる場面ではチビる、怖っ。ジェニファー・コネリーさんは胸元たっぷりで、ありがとうございました。ジャーナリストってのは潰しがきくというか、現場を離れて戻る場所があるんだもんね、オープンカフェでお茶する選択肢があるんだもんね。その点レオナルド・ディカプリオさんはアフリカに生まれ、そして……タプタプ。タプタプしてましたけど、力演ですよ素晴らしかったです。宝石はキレイだし、兵器は格好いいんですよ、その前後に”なに”があろうとも。でもその”なに”について少し考えてみるってのもいい。ついでにレオナルド・ディカプリオさんのファンの方が”念”を送るのをやめていい感じに年をとらせて欲しいと思いました。