最強有線映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

邦題:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

原題:

原作:

製作会社:スタジオカラー

監督:庵野秀明(総監督) 鶴巻和哉(監督) 摩砂雪(監督)

脚本:庵野秀明

出演:緒方恵美 林原めぐみ 三石琴乃 山口由里子 立木文彦 清川元夢

日本公開:2007年9月1日(土) 

1995年秋、テレビ東京の夕方に「ロボットアニメでございます」てな顔してシレッとはじまった『新世紀エヴァンゲリオン』。巨大ロボットに少年少女が乗り込んで、怪物をやっつけての半年後、投げっぱなしジャーマン的な終わり方をして多感なお年頃のボイズンガルズは路頭に迷いました。それから二年後、最終二話を作り直す形での劇場映画が2本公開(春・夏)されて、わかったようなわからないような、わからないと言っちゃいけないような空気の中でボイズンガルズはそれぞれの道へと歩んでいったのです。時は流れて10年後、パチンコになって帰ってきた『新世紀エヴァンゲリオン』。これまでもさんざ金をつぎ込んだのに仕方ねえなと散財散財、次から次へ登場する新機種へ搾取される姿は、日本中の涙を誘いました。そして満を持してと言うか何でやるのかという気持ちで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が本日から公開、これが全四部作というのですから搾り取られますぞ。毎月1日は「映画の日」なのでたいがいの映画館では入場料が1000円で観られまして、土曜日の公開初日で「映画の日」となりましたので劇場は大混雑。チケットカウンターの電光掲示板が次々と”売り切れ”になって久しぶりに満席での映画鑑賞となりました。ストーリーは第壱話から第六話までのダイジェストで、第六話の空飛ぶピラミッドをズガンと撃ち抜く”ヤシマ作戦”をクライマックスに持ってきております。映像もテレビと違うのかよくわからないものから、新たに追加されたもの、兵器や重機はあからさまな CGI までいろいろ。映画が始まってパッとこみ上げたのは「懐かしい」の感情で、どんなところが好きだったっけなあと記憶を手繰りながら観ていると、「段取りが好き」との結論に達しました。はじめての発進に至るまでの、専門用語まみれの段取りには興奮。だからクライマックスの”ヤシマ作戦”がかなりディティールを深めて描かれているのは、「あたしのために作ってくださったのですか」と、ありがた過ぎて震えました。でも最上客はパチンコ・スロットでお金を落としてくれた方々なので、”ヤシマ作戦”の日本中の電気を集めてライフルで撃つ一連の描写は、”ノーマルリーチ”→”スーパーリーチ”→”大当たり”のメソッドですので満足して劇場をあとにし、パチンコ屋へ吸い込まれて行くことでしょう。というわけで第六話あたりまでは、まだまだ作り手も受け手も、おおよそ幸せでしたので、この新劇場版『序』を何回も観て幸せに浸りましょう。