なかなかチューしやがらねえ/ザ・ムービー。『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』

邦題:『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』

原題:『 HIGH SCHOOL MUSICAL 3: SENIOR YEAR 』

製作会社: ボーデン&ローゼンブッシュ・エンタテインメント ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ

監督:ケニー・オルテガ

脚本:ピーター・バルソッキーニ

出演:ザック・エフロン ヴァネッサ・ハジェンズ アシュレイ・ティスデイル ルーカル・グラビール コービン・ブルー モニーク・コールマン オリシア・ルーリン バート・ジョンソン アリソン・リード マット・プロコップ ジャスティン・マーティン ジェマ・マッケンジー=ブラウン

上映時間:112分

日本公開:2009年2月7日(土)

公式サイト:【http://www.disney.co.jp/movies/hsm-movie/

IMDb:【High School Musical 3: Senior Year (2008) - IMDb

これまでテレビシリーズとして放送され、全米のティーンがメロメロのトロトロになった『ハイスクール・ミュージカル』。シリーズ三作目は完結編(かな?)として映画化されました。テーマはズバリ”卒業”ということで、登場人物たちが進路や別れに思い悩み、唄い踊ります。テレビシリーズの『〜1』はヴァネッサ・ハジェンズさんがイースト高校に転校してきたことから起こる、大カミングアウト大会。誰もが共感できる「あなた」と「わたし」の物語でもあったりして、ハートをわしづかみされたわけです。そして待望の『〜2』でしたが、個人的には残念な出来。「あなた」と「わたし」の物語から「バスケのスーパースター、ザック・エフロンさん」と「セレブなアシュレイ・ティスデイルさん」の物語になってしまったので、どーでもいいやおならプーと距離を置かせていただきました。そして映画になった『〜3』どうなるかと思って期待と不安とで観にいったところコレ!コレ!となりました。というか『〜2』は無かったことになっているんじゃないの?と思いたくなるような展開に、『〜2』の出来には相当ブーイングおきたんじゃないかしら?と悪い顔して勘ぐってしまいましたよ。物語としては高校三年、バスケの最終試合からはじまり、演劇クラスの発表会の準備や、プロム(卒業ダンスパーティ。テーマは” LAST WALTZ ”!)や進路やチューとかしてます。いわゆる受験勉強とかしないんで大丈夫かよと思いますけども、もともとが出来る子たちなので、お勉強かスポーツかでどっかしら大学にすすめちゃうんです、あなたとはちがうんです。舞台が学校に戻ってきたので『〜1』の焼き直しっぽく感じるところもありますが、これは狙ってやっていると思いますし、クライマックスの演劇クラスがおこなうミュージカルのシーンで反復の演出がバッチリ効いてます。三作目なので当然ながら前二作を観ていたほうが楽しめるわけで、ザック・エフロンさんとヴァネッサ・ハジェンズさんの私生活でもラブラブな二人と、アシュレイ・ティスデイルさんとルーカス・グラビールさんのエヴァンス姉弟とが対立構図になっただけで満足なのですが、ピアノメガネことオルシア・ルーリンさんがかなりフィーチャーされていたのが鬼満足。ちょっと古着に目覚めたっぽいファッションながら、メガネはいちいちずっこけており、それがいちいち可愛い。たまにメガネを外すけどそのときにはアップがないという、製作サイドにかなりのメガネラヴな人物がいるとみたがどうか。同志よありがとう。事前にサントラを購入していたので、ちょっと予習はしていたのですが、スクリーンで観ると倍増どころの騒ぎではなくて、体が動いてしまいましたよ。劇場ではサントラ聴きこみ組のみなさんが一斉に頭をふってリズムを取っていました。楽曲のレベルも前二作に負けずおとらずで、個人的にはエヴァンス姉弟が成り上がってゆく『 I Want It All 』、プロムにびびる男子の尻を女子が蹴りあげる『 A Night To Remember 』がゴージャスで特に素晴らしかったですね。演劇クラスの出し物『 Senior Year Spring Musical 』は劇場ならではの一回性を楽しみました、記憶力を試されるとは言いませんけど、前二作は録画なり DVD で見ていたので気になった箇所はリピートしてましたけど、劇場ではそういうことできませんからね。あと「あれ?あなたずっとそこにいたの?」というシーンがあって、これは再見時に確認しよう。どういう順番で撮影されたのかはわかりませんが、それぞれが進路を決めて、ある人が泣いちゃうシーンでは、これ演技じゃねえなと思いました。実生活でもカップルなザック・エフロンさんとヴァネッサ・ハジェンズさんがなかなかチューしやがらなかったりして、チューくらいさっさとしやがれよと、別にアロマ企画みたいなのをやれと言ってるんじゃないぜとか思っちゃいました。そのかわりヴァネッサ・ハジェンズさんはパンツどころかケツっぺた丸出しの激しいダンスあり。ザック・エフロンさんはシーンによってはかなり疲れた顔をさらしているのでプライベート大変そうだなと思いました。それでラストの唄い踊りはちょっと抜けが良すぎてイマイチに感じましたけど、まあああいった慣習のあるところでは、ああいった経験のある方たちは盛り上がるんだろうな。個人的にエヴァンス姉弟が大好きなので、この二人が大活躍する演劇クラスのシーンが多くて嬉しい。そして一番演劇を愛しているルーカス・グラビールさんのことを思い出すとなんかグッとくるのでした。もともとがディズニー・チャンネルの作品だし、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ製作ですから健全も健全。暴力もセックスもアルコールもドラッグも難病もいじめもありませんけど、こういう健全の王道があってもいいじゃないかよ。スタッフ・キャストは、やりきったんじゃないかしら?こういうの見せられると、アメリカはハリウッドはまだまだすげえなと思いましたよ。

吹き替え版を観てからの追記(20090211):あー吹き替え版も良かったですね。歌のシーンはオリジナルの英語音声で日本語字幕になるので、問題なし。いいこと言うなーというシーンは吹き替えの方がグッとくるかもですね。