坂本龍馬子(さかもとりょうまこ)安藤裕子。安藤裕子 2010 ACOUSTIC LIVE @ 活水女子大学 東山手キャンパス 大チャペル

年の初めはアコースティックライブ。この道のりと学び舎、やわらかい日差しをあびて行く。清水ミチコさんによる開演前のナレーション(フォーラムと同じ)で会場暖まる。山本隆二さん山本タカシさん安藤裕子さんの順に登場。左からピアノ、椅子マイク、ギター。テーブルにはドリンク類、タンバリンなどの楽器類も。テーブルには、らしい布がかぶせてある。安藤裕子さんは黒・茶系のダークないでたち、コート何枚着ているのか。黒い革のショートブーツ、まるで坂本龍馬をイメージしたようななー。座りでスタート『ヘイディーズ』。新年の挨拶。立ち上がりコートを脱ごうとするも、腕飾りが思い切りひっかかって往生する。ドリンク類、プラスチックのビンに入った謎のたれを曲の間になめる。鈴を持って『クリーミーロジック』そして、山本タカシさんがエレキギター。アコースティック編成のライブなのね。細い笛をヒョロヒョロ吹いたりする。渡辺真知子さん的な声の張り方。そのまま『テキサス』『パラレル』。この『パラレル』おわりでなんか安藤裕子さんが中央通路をゆっくりと指差す動作をしたのが謎、あれはなんだったのか。つづけて『再生』。ここでひと段落して、開演に間に合わなかった方たちが着席。さっきの『パラレル』おわりの動きは席にいらっしゃい的なものだったみたいですね。ナゾ解決! 長めの MC 。長崎へ来る飛行機のアナウンスが個性的だった話。つぎの『眠りの家』の話。山本タカシさんに娘さんが生まれた話から、自分も子供がほしかった(今でも欲しいけど)話。出会いについての考え。いつになくトークが軽やかで、客席の緊張がまだ取れない感じ。ふりかえってみれば、これは後半へ向けての逆算だったのかもね。座りで『眠りの家』『海原の月』イントロからやっぱいいねー。客席の頭揺れもかなりきていた。アウトロも好きよ。座りでありながらマイクスタンドが用意された。すわ! マゾコーナーか。と思いましたがそれはなし。マゾコーナー好きなのになあやってほしいなあ。準備のあいだお客さんをいじるも、なんでかささやき合戦。まあこれはこれで味わい深いものです。鳴り物を持って『お祭り -フェンスと唄おう-』さらに『黒い車(お楽しみ Ver )』で、この曲が今日のクライマックスというか、白眉というか。まあもう一山あるんですが。『黒い車(お楽しみ Ver )』はアコースティックな感じではじまったんですけど、山本タカシさんはまたもエレキなギターを持ち出して、ジャムジャムしてジャズジャズしだして山本隆二さんのピアノも跳ねるし、安藤裕子さんも声色のレンジを広げて大きくうねる。このあと立ったのでしたか? ツアー初日も後半になり、なにか話しておくことありますか? 客席から「(歌のあいまに)なにを食べてるの?」マヌカハニーということで、あの謎の容器の正体が判明したのでした。つぎは『ラフマベティ』ということで、『レイトン教授と魔神の笛』の話。こどもに向けて作った曲。甥っ子が中学2年で、生まれたときから小学校くらいまで長いこと一緒に暮らしていたけど、いま少し反抗期。でもこのゲームをきっかけに昔みたいな感じにもどった話。彼の味方になってあげたいと思った。(客席に向かって)いちおう応援をしとく。つづけて長崎で生まれた『六月十三日、強い雨。』から『夜と星の足跡 三つの提示』『 The Still Steel Down 』へ。普段なら『聖者の行進』と行きたいところですが、今回は違った。最後はみんなで歌おうということで、客電を明るくして、立たされました。前のほうのお客さんには鳴り物の楽器を渡して『人生お見舞い』。……これは初回盤にマネージャーのヤングさんがあった「歌うまで許してくれない」パターンのやつや! 「自分で歌わないとだれも歌ってくんねえぞ」と叱られながら歌うという、好事家のみなさんが次々と昇天してゆきました。「自分の人生は自分で歌えよ!」と捨て台詞を残して終了。もう立たされたのでそのままアンコール待ちの手拍子。これはわたしが体験した安藤裕子さんライブ史上最も激しい手拍子でした。アンコールで登場した安藤裕子さん、物販の紹介。いろんな方法をためしているようですけども、それよりもいつもモタモタするのが好きな時間。『♪いのちってなに?』(のちに曲名の発音は『とーてる』と判明)はどんだけ温存するのか。2009年のアコースティックでやったんでしたか。最後は新曲『あるく』。『唄い前夜』のようなエンディングにはぴったしな曲。かなり高いところまで声を出してました。ということで2010年アコースティックツアーの初日でした。この会場、木造のチャペルに歌声が染み渡る時間は本当にぜいたくで、キャパ的にもジャストだなといつも感じます。三年目になって、いつもと変わらぬ部分を保ちつつ、『人生お見舞い』の強制起立歌唱で、好事家のみなさんをのたうち回すあたりさすがです。逆算すると最後に歌わせるために MC が序盤から前のめりだったのかと思います。いつもはけっこう内省的になったりしますものね。今回のアコースティックツアーは2月まで行ない、少し間を置いて6月から関東以北をまわるという、変則的なスケジュール。毎年初夏はアルバムのリリースを受けてのバンドツアーでしたが、今年はここにアコースティックツアーの後半戦が予定されています。興味のある方はお近くの会場へぜひ足をお運びください。

安藤裕子 2010 ACOUSTIC LIVE
2009年1月9日(土) 長崎・活水女子大学 東山手キャンパス 大チャペル
開場:16:00 開演:17:00 料金:3800円(当日券販売不明)


=== SET LIST ===

01.ヘイディーズ
02.creamy logic
03.TEXAS
04.パラレル
05.再生
06.眠りの家
07.海原の月
08.お祭り -フェンスと唄おう-
09.黒い車(お楽しみ Ver )
10.Paxmaveiti ラフマベティ -君が僕にくれたもの-
11.六月十三日、強い雨
12.夜と星の足跡 三つの提示
13.The Still Steel Down
14.人生お見舞い


=== アンコール ===

UN01.新曲 ♪いのちってなにー (『とーてる』『問うてる』)
UN02.新曲 ♪心がきっと幼いんでしょう (『あるく』)

=== 終了 === (約2時間)

Vo,Per,kazoo,Manuka Honey : 安藤裕子
Piano,Pianica       : 山本隆二
Acoustic Guitar      : 山本タカシ