『ウレロ☆未確認少女』 第1話「ツドエ☆未確認少女」

この番組を『ゴッドタン』のスピンオフとしてみるかどうかで、印象は変わってくると思います。ちいさな芸能事務所でアイドルユニット、ユーフィーをデビューさせる。第1話はこの会見をめぐるドタバタ。登場人物は社長、プロデューサー、作曲家、マネージャー、女性事務員、バイト。見終わって、違和感というか、なにか引っかかるなと。舞台は事務所での出来事、一幕ものといいますか、一場もの。6人組のユーフィーは出てこず、このデビュー会見が行なわれているとき、事務所でなにが起きていたかを描いている。……しかし、どうも状況が理解できない。まず会見場所が事務所(雑居ビルかな)の上階にある稽古場で、この現場に行くのが司会をつとめる作曲家だけ。事務所にとって社運をかけたプロジェクトのはずなのに、社長ほか誰も現場に行こうとしない。メンバーが来なかったり、不適切発言があったりしてトラブルが発生しているというのに。そしてこのデビュー会見、テレビで生中継(地元のケーブルテレビでしたか)されていて、事務所のテレビでも流れているのに、見ているのはプロデューサーとマネージャーだけ。この二人も会見に対するリアクションは、ほぼ無し。会社全体で興味がないというか、無関心とはどういうことなのか。会見場に行けない理由を考えてみる。まずバイトと女性事務員は直接の関係者じゃないとも言えるので、これは除外してみますか。社長はユーフィーに入れてやると調子よく言ってしまった女の子ゴリナとのやりとりがある。まあ弱いけど、会見に顔を出している場合じゃないと取れなくもない。プロデューサーは凄腕だが、可愛い娘の前だとしどろもどろになる。アイドルのプロデューサーとして成立しているのかは置いておいて、現場に行かない主義と考えれば、まあこれもいいか(ただこの設定が今後も活きていないとね)。最後にマネージャー、このマネージャーはデビュー会見当日に雇われたようですけど、この人こそ会見場に行かない理由がない。「事情がわからない」という視聴者目線を担っているのだから、このマネージャーが不自然な部分に疑問をバンバンぶつければいいのでは。最後にみんなで会見場に向かうんですけど、それを逆算して作っていたのかしら? なにかひとつでも障害があればいいのに。たとえばデビュー会見を豪華にぶちあげるため、海外(ハワイ、ハリウッドとか)で行なったため、6人のメンバーと社員一人だけしか行く金がなかったとか。たとえばデビューに向けてお金がかかって、借金取りが事務所に来てしまい、いわゆるそっち系の人で会見場に行くに行けないとか。デビュー会見でトラブルが起きて、司会者が報告に行き来しているのに、誰も現場に行こうとしない。ユーフィーのメンバーがひとり来なくて、とりあえず女性事務員を人数合わせで会見に出そうとする。メガネを外すとカワイイ! ってのはよくありますが、この人長身で、ひざ丈のスカートながら体のラインが出る格好なんで、それほどギャップがない。普段モジャンボみたいだったら別だけど(「ポケモン モジャンボ」で画像検索)。対人恐怖症だから人前に出たくない、アニメキャラのマスクをかぶって出ろ。となるのは、社長の連れてきたゴリナと『犬神家の一族』の助清⇔青沼静馬よろしく、二人一役な場面があるのかどうか。もしかしたらこの会見の一日を、『羅生門』のように別の視点で描くとも考えられるけど、初見でこう「雑」と感じたらそれもないか。あとこれは好き嫌いの問題ですけど、「大声を出して場を制する」って演出は苦手です。1話につき一回とかだといいけど、どんだけ叫んでいたのか。そんな大声って出すものかしら。いろいろ書きましたが『ゴッドタン』からの流れで見れば、気にならないかもしれませんけども、期待していただけに残念です。これをひっくり返すだけの面子(劇団ひとりさん、バカリズムさんがいるんですよ! )だのでしばらく見ます。