『鉄コン筋クリート』

鉄コン筋クリートall in one (ビッグコミックススペシャル)

鉄コン筋クリートall in one (ビッグコミックススペシャル)

映画公開にあわせて原作全三巻を一冊にパッケージしたの↑発売中。松本大洋さんの漫画が原作で、長年紆余曲折あり。なんだかんだでマイケル・アリアスさんが監督して世に放ったわけです。このマイケル・アリアスさんは CGI のプロフェッショナルですので舞台である宝町(たからまち)をクロとシロが泳ぐように跳ねるようにゆくシーンは気持ちよすぎて寝てしまった。松本大洋さんの作品で言うと『花男』と『ピンポン』のあいだなのね、映画を観てから原作を読み返しましたが、線のタッチが細くて、人物の顔も目が離れているので今の松本大洋さんに近い感じ。お話としてはその原作を見事になぞっていましたが、後半どうにも暗い方向に行ってしまうので劇場で観ないと辛いな。鈴木(ネズミ)と木村、二人のヤクザについては外伝的なものがあったような……二人の出会いの頃に「クソしてやりましたよ」「ニヒリストなのね」というやりとり『鉄コン筋クリート』の中にあったけな?大きな一つ星マーク(こういう言い方でいいのかしら)の象さんが出てきたりしたので嬉しい。シロの台詞がストンと腑に落ちて、やっぱし蒼井優さんはすげえなと劇場をあとにしたのでした。

青い春―松本大洋短編集 (ビッグコミックス)

青い春―松本大洋短編集 (ビッグコミックス)

青い春―松本大洋短編集 (Big spirits comics special)

青い春―松本大洋短編集 (Big spirits comics special)

ちがったちがった。『青い春』って短編集に『鈴木さん』てのがあったよ、でも1991年に発表されているから『鉄コン筋クリート』の前だった、ギャフン。高校生の木村が鈴木(ネズミ)と出会った頃の話で、ヒリヒリしますよ。いま手に入りやすいのは下のほうかしら、この『鈴木さん』読むと、いっそうあのシーンがしみるなあ。もっかい観に行こうかしら。