西山茉希のお宝映画公開、演技初体験はヒール役だった!?『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ』(公式サイト)

邦題:『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ』

原題:

原作(原案):『もういちど宙(そら)へ』岩貞るみこ

製作会社:ホリプロ シグロ

監督:前田哲(『陽気なギャングが地球を回す』)

脚本:川嶋澄乃 松本稔 前田哲

出演:松山ケンイチ 高畑充希 池内博之 坂井真紀 利重剛 田中哲司 永作博美 西山茉希 上間宗男 山崎努 

日本公開:2007年7月7日(土)

この見出しはですね、いま現在はてなのスタッフの方々と壮絶なイタチごっこを繰り広げているであろう方々のつくったダイアリーを模して書いてみました。キーワードで飛んでいくと「〜を含む日記」にゴシップネタのタイトルがどわーっとあるあれですね。迷惑は迷惑なんですけど、たまにアカウントだけ取ってダイアリーのタイトルが決まっていない製作途中に出くわすことがあって、なんだか照れます。それでは映画の話をします。沖縄の美ら海水族館に獣医として勤務する松山ケンイチさん、東京にゃこれ(小指たて)の西山茉希さんを置いてきておるわけです。イルカをはじめとする動物たちの治療だけでなく、飼育や客前でのショーもこなさねばならず激務の日々。そんなある日、バンドウイルカのフジの尾びれに異変を見つける。原因は不明だが壊死した部分があり、それが日を追うごとに広がっていく。このままでは死んでしまうので、尾びれの壊死した部分を手術で切り取ります。一命を取り留めたフジですが、以前のように泳ぐことは出来ず、ただ水に浮かんでいるだけ。松山ケンイチさんはもう一度泳がせたいと、タイヤなどのゴム製品を扱うブリジストンを訪れ、世界初の人工尾びれの開発を依頼するのですが……。まあこんなとこで半分くらいでしょうか。西山茉希さんが出演された映画は今までに三本、公開順に『7月24日通りのクリスマス』(2006年11月3日)『ハミングライフ』(2007年1月13日)『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ』(2007年7月7日)となります。しかし撮影が行なわれたのはこの並びではなくて『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ』が2006年の4月と一番早くて演技デビューはこの作品ということになります。つづいて『7月24日通りのクリスマス』が2006年6月で『ハミングライフ』は2006年の秋でした。映画の大部分が沖縄を舞台にしており、作品のキーパーソンである高畑充希さんの境遇もあり、東京は忌むべき場所という位置付けになっております。そこで生活をする西山茉希さんは物語への介入の仕方も含めて唯一のヒール(無意識のヒール)という難しい役柄。でも立て巻きカールを決めつつこなすのだから、大したもんだと言うか地なのかなんなのか。雨の中松山ケンイチさんを待つシーンでは、「1か月 CD 」を思わせる足さばきをするので見逃さないように。短い出演時間ながら「彼のことをもっと想ってあげなさいよ、嫌な子」という印象を与えるに充分なので、監督のオーダーにはしっかり応えたかたちになっていると思われます。やはりスゲエ娘さんだ。主演の松山ケンイチさんは出ずっぱりで、いい顔をみせてくれますよ、だんだん仕事をする男の顔になるんだからいいですな。館長役の山崎努さんは、飯をまずそうに喰わせたら世界でもなかなかかなう人はいないぜ、そしてパンフレットで実際の館長とのツーショットが激似で笑う、スタッフもかなりウケたんじゃないでしょうか。池内博之さんは熱血地元青年を好演。松山ケンイチさんと対立するシーンが良すぎる、ナイスガイだぜ。坂井真紀さんはアップのシーン少なめかも知れない、あんましお化粧の出来ない役ですので。しかし一番持っていったのは永作博美さん。あんまし物語との本筋とは関係ない役なのですが、亀を頭にアレする「永作博美さんによる亀頭シーン」でついに一線を越えたと言っていいでしょう。ファンならずとも必見なのです。そして高畑充希さんが男の子女の子から女性へと一気に成長するシーンに震える。この台詞のない暮れゆく海辺での松山ケンイチさんとのシーンは、なんとも不思議な気分にさせられます。イルカもペット的な扱いではなくて、仕事場の同僚のような接し方だったのは非常に良かったです。タイトルの出方、字面のセンスや、編集で「?」なシーンのつなぎが何箇所かありますが、感傷的な方向へ流されず、しっかりとした「仕事」「責任」「誇り」が伝わってくる良い作品でした。夏の終わり頃までやっていれば、もういちど観たいな。