三色アイス、感極まって短パンはく。安藤裕子 2008 ACOUSTIC LIVE @ 活水女子大学 東山手キャンパス 大チャペル

安藤裕子 2008 ACOUSTIC LIVE
2008年1月26日(土) 長崎・活水女子大学 東山手キャンパス 大チャペル
16:00開場 17:00開演 料金:3500円


== SET LIST ==

01.サリー( Neo サリー Ver.)
02.海原の月
03.ドラマチックレコード
04.煙はいつもの席で吐く
MC1.初アコースティックツアーについて、「自分に煮詰まり、歌いたくて入れた曲を次やります」
05.蒔かれた種について
06.Lost child,
07.チームアンディの唄
08.ライブに来てくれてありがとうの唄(ラバンバ調)
09.「♪愛を見たあなたとの出会いの夢の中〜」(デビュー前にギター弾いて歌っていた唄)
MC2.『蒔かれた種について』について、『のうぜんかつら』のモデルとなったおばあちゃんの話。
10.のうぜんかつら(リプライズ)
11.陽のかげる丘(新垣結衣さんのアルバム『そら』に提供した曲)
MC3.新垣結衣さんについて。長崎でライブをすることについて。そこから遠藤周作さんの『女の一生〈1部〉キクの場合』を読んで作った曲について。それが12曲目。
12.『六月十三日、強い雨。』(かな?【2008年1月28日】より)「♪たとえ今が〜きっと次の世界でも〜空高く飛べるならいつも会いたい」
13.隣人に光が差すとき
MC4.「今日はどうもありがとう。曲(12曲目)の生まれた場所で唄えてよかった」
14.The Still Steel Down


== アンコール ==
MC5.新曲『パラレル』、ライブ(2008年7月5日 Zepp Fukuoka はバンドセット)、物販の告知。メンバー紹介。
EN01.「♪例えばあなたとこんな風に〜好きだとか〜わかるだろ君にあげた星くず〜」
EN02.TEXAS


== 終了 ==


Vo,Acoustic Guitar  : 安藤裕子
Piano,Pianica     : 山本隆二
Acoustic Guitar,Ukulele: 山本タカシ

ああ、長崎は今日も雨ではなく曇り。活水女子大学東山手キャンパスは中華街そばのちょいと上がったところにありまして、ちょっと迷う。大チャペルもそのほかの建屋の洋館ぶりにドキドキ。大チャペルは三階にありまして、木の質感が優しいこんな場所【http://www.kwassui.ac.jp/college/campuslife/shisetsu/shisetsu.html】。米国ドラマなどでよく見る教会ですかね、椅子が九十度が過ぎるくらいの直角な木のベンチで、前との間隔も狭くて決して快適ではありませんでしたけど、始まってしまえばひたすら音楽が降り注いでくる極上空間。拍手や手拍子の響きも心地よかったです。17:00(早いな)の開演時間を五分少々過ぎたところで、上手より山本隆二さん、山本タカシさん、その背中を押しながら安藤裕子さんが登場。ステージは左からグランドピアノ、中央に背もたれ付きの椅子、ギターという配置。安藤裕子さんは髪型センター分けの毛先カール。お召し物は上から濃紺・抹茶緑・ターコイズブルーの三色アイスみたいな長袖ワンピース。右手首に赤いブレスレット、キラキラの入った黒のストッキング、靴は黒のパンプスだったかしら。「こんばんは。こんな素敵な場所に呼んでいただいてありがとうございます」椅子に座って「♪ナインティセブンティセブン〜」演奏はピアニカとアコギ。曲が始まって客電が落ちてゆく、ステージ上照明は常時オン、曲にあわせて色が変わったりとか最後まで一切なし。終わって「これはネオ『サリー』バージョン」との説明アリ、短いやつみたいです。次の曲に行く前に遅れてきたお客さんが数名入ってきまして、手をかざして「お、誰か来た」と席に着くまで昨年夏に長崎をキャンペーンで訪れて、空き時間に汗だくになりながらグラバー園のあたりを歩いた話をする。2曲目『海原の月』山本隆二さんはピアノに。今回のライブでは安藤裕子さんの声がえらく太く、しっかり聴こえました。この『海原の月』は映画『自虐の詩』の主題歌で、映画の公開も終わり、興行・評価ともにゴニョゴニョのようですが、この曲はしっかり一人立ちして育っていくような力強さを感じましたよ。『ドラマチックレコード』『煙はいつもの席で吐く』までは安藤裕子さん座りで歌う。立ち上がり「初のアコースティックツアーです。本当はもっと小さいところをたくさんまわりたかったんですけど、まあスタートと言うことで。次は自分に煮詰まり、歌いたくて入れた曲です」と『蒔かれた種について』続いて『 Lost Child, 』を。立って歌うのでいつものようにフラフラユラユラ、でもそこから放たれる音圧がかなりの迫力。裏声のクリアな部分がやや薄れた気がしますが、それを補って余りある歌声でした。7曲目からは安藤裕子さんがアコギを弾きます。準備していた女性は、若手マネージャーだそうです。座って膝の上にギターを乗せるとき「これワンピースですけど、中に短パンはいてますから。若干足が開くと思いますが……」と残念な発言。山本隆さんはウクレレにチェンジして『チームアンディの唄』!やったぜ嬉しいな。続いて『ラ・バンバ』のメロディーで『ライブに来てくれてありがとうの唄』どちらも歌詞が英語なので、よくわかりませんが楽しい。終わってホッとした安藤裕子さん「手がヌルヌルしてる」とカウンターで妄想スイッチをプッシュ(素早く脳内で”アコギ”〜”手コキ”に変換)する発言に、会場にいる数少ない男性陣の背筋がピンと伸びました。東京でこのアコギ準備は、以前ラジオで共演していた占い師のラブちゃん(表記はこれでいいのかな?)にやってもらって、場つなぎにマイクを渡したら占いをはじめてくれ、山羊座は十二年に一度の絶頂期だそうです。つづけてデビュー前にライブハウスでやっていた曲ですが、出だしでいきなりミスしてやり直してました。山本タカシさんはここから、もしくは一個前からアコギに戻って演奏。これで安藤裕子さんのアコギコーナーは終わり「楽器出来る人?(会場シーン)じゃあ楽器出来ない人?(会場これまたシーン)……チッ」と舌打ち安藤裕子さん。今朝長崎に来るとき『蒔かれた種について』を聴いていた話から家族の話、そして『のうぜんかつら』の歌詞(の元)になったおばあちゃんの話へ。最近おばあちゃんはあまり元気がないようで、でもおじいちゃんがいかに素敵だったかを話してくれる。おじいちゃんは26年前に亡くなっているそうなのですが、いまでも自慢の旦那さん…・・・とここで感極まって声を詰まらせていました。つづいてはもちろん『のうぜんかつら(リプライズ)』、山本タカシさんはお休みで、山本隆二さんのピアノと。この曲の成り立ちは何となく知ってましたけど、こうして成り立ちと曲を続けて聴くと、もしも、もしものもしもくらいの話ですが、おばあちゃんにもしものことがあったらこの曲は封印されてしまうのではないかと思いながら聴いていました。次は新曲かしらと思ったら新垣結衣さんに提供した『陽のかげる丘』でした。気に入ったので自分でも歌ってしまったと。新垣結衣さんの声に郷愁を感じたんだそうです。今回のアコースティックライブは長崎がキモだった。以前ホンシャン(旧香港上海銀行長崎支店)でライブをしたとき(2007年3月5日)、急にパニックに襲われ逃げ出したくなり、ひどい内容になってしまった。でもアンケートは「これで長崎のことを嫌いにならないでください」なんて書いてあって回収率もすごくて、逆に励まされた。同じ頃、遠藤周作さんの『女の一生〈1部〉キクの場合』を読んだ。隠れキリシタンの話で、無償の愛に共感した。みんなも誰かかけがえの無い相手が見つかるといいな……でまた感極まる。もう、感情の揺れが激しいわ。こういった経緯で作られたのが次の曲『六月十三日、強い雨。』(かな?【2008年1月28日】にこの曲の記述があります)。そして『隣人に光が差すとき』。「今日はどうもありがとう、曲の生まれた場所で歌えてよかった」本編〆は『 The Still Steel Down 』。アンコールはまず安藤裕子さん一人出てきました。男性二人はトイレへ行ったということで、新曲や物販の告知。会場で先行予約をしていた風呂敷は京都の職人による手作りで限定300枚だそうです。その風呂敷をバッグみたいにしてました。次のシングル『パラレル』今回のアコースティックライブには入れなかった。軽快な曲だそうです。ダブル山本が戻ってきたので、あらためてメンバー紹介「ピアノ山本隆二、アコースティックギター山本タカシ、私が安藤です」アンコール1曲目は製作中のものからバラードをピックアップ。アンコール2曲目、最後の曲は『 TEXAS 』山本隆二さんが手拍子をうながしてスタート、歌いだしからしばらくステージの前方へ歩みだした安藤裕子さん。ピンスポットとか無いので、前に出すぎると照明が当たらないのですが、お構いなし。ライブ終了後のロビーは MC 効果か、アンケートを書く人と物販コーナーに群がる人達でごったがえす。会場を出ると眼下に広がるは長崎港を挟んだ町の灯り。これにはウットリ。ということで、初のアコースティックツアーを観たわけですけど昔の曲をけっこうやってくれましたね。しかし初期の曲たちは CCCD ですから聴けない人も多いでしょう、悔しいなあ。そろそろベスト盤か、 CCCD ではない形で再発売はないものか。