『田中裕二(爆笑問題)の「ザ・ガール」』が『1Q84』より面白い、たったひとつの理由。

田中裕二(爆笑問題)の「ザ・ガール」

田中裕二(爆笑問題)の「ザ・ガール」

●『田中裕二(爆笑問題)の「ザ・ガール」』を番組でプレゼントするくだりで。

田中(裕二): TBS ラジオ深夜にね『 JUNK 爆笑問題カーボーイ』というまあ

太田(光):あんまり面白そうじゃないですね。

田中:いやいやまあ、面白いかわかんねえ……人による、好き嫌い激しい。「ザ・ガール」というコーナーをやってたんです。もともとは、で

太田:村上春樹に対抗して、

田中:そうそうそう『1Q84』に。

友近:めちゃくちゃ売れてますね。

太田:めちゃくちゃ売れてます。

田中:『1Q84』よりか、たぶん面白いと思う。

友近:あーそうですか(あっけに取られて語尾が尻すぼみに)。

田中:だって難しくないもん。

太田:そうなの!?

友近:言いましたね!

太田:!『1Q84』より面白いの!!?

田中:たぶん

友近:『ホームレス(中学生)』より(『1Q84』が)売れてるでしょ。

田中:『ホームレス中学生』よりね、まだそこまで行かないけど。

太田:そうなんですか。

田中:たーぶん『1Q84』よりかは面白いと思うよ。俺・は・ね(語気強めて)。

太田:えー!

田中:だってわかんね。

太田:すごい思い上がって

田中:ハハハハ。

友近:言いましたね出ましたね、大きく。すばらしい。

田中:『1Q84』だって分厚くて上下でしょ、1・2巻でしょ、これは2〜30分で読めちゃう。

友近:でも書店に置いたとたん無くなるんですよ。

太田:村上さん、聞いてますか?

田中:『1Q84』?そうなんだよね。だからそれはほら読んでない、村上春樹って言うことでまず買うわけだから。中身はわかんないじゃないですか、もしかしたら、ねえ、わかんないじゃないですかハハハハ。

太田:本心が出た。今日なんか本当のドロドロした部分が垣間見えた。

田中:なんで?ハハハハそうですか?

以降『田中裕二(爆笑問題)の「ザ・ガール」』の内容について話す。

2009年6月7日(日) TBS ラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』オープニングトークより。

……自分で言っているというね。空気を読まないとかそれ以前の問題、つまるところウーチャカ無風。この本は火曜深夜に TBS ラジオでやっている『爆笑問題カーボーイ』のコーナー「ザ・ガール」をもとにしています。と言っても、ラジオの方はリスナーから送られてきた”ガールらしい仕草・エピソード”に対し、田中裕二さんが100点満点で何点(何ガール)かをつけてゆくものでした。本では点数がなくなり、いろんなシチュエーションに対し、最も”ガール”っぽいものを定義してゆきます。家族構成から、髪型から、部活から、バイトから。定義してはゆくもののあいまいで、前半定義したものが後半ひっくりかえるのはあたりまえ、このあいまいさは2009年6月16日(火)に『爆笑問題カーボーイ』のゲストに来ていたネプチューン名倉潤さんからも激しい突き上げを食らっていました。そのゆるい定義も、あだち充さんのマンガと小泉今日子さん(この本の帯を書いています)が基準になっていて、田中裕二さんの魂が80年代に捕らわれていることを再確認。だからこの本の楽しみ方は、”ガール”について気持ちよく語る田中裕二さんを、気持ち悪いな〜と、眺めるというのがよいのではないでしょうか。構成が吉井タカシさんで、現在『週刊プレイボーイ』で爆笑問題の連載を担当されていまして、この本もその連載のように対談形式になっています。ここがちょっと気になるというか、田中裕二さんが実際しゃべったトーンと多少違うんじゃないかしらと感じました。これは吉井タカシさんの手癖なんでしょうね。しかし爆笑問題というコンビはつくづくユニークですよね、所属事務所のタイタンで若手が育たないのもやむなし。だって爆笑問題をマネージメントしたノウハウを、ほかの人に応用できないもん。