『嫌われ松子の一生』

原作も読み終わったことですし『嫌われ松子の一生』を観てきたんです。
いろんな意味で参ったなと。観る前は”あの”『下妻物語』の監督が”この”原作をどう撮るんだろう?ってことでした。とくに前半は原作では陰湿でいやんなっちゃうんですけど、ここをあのタコの顔を駆使してグイグイとコメディにしていってまして、なるほどなるほど。緊張するとタコみたいな顔になるってのは原作には無い部分。でもどの画面もエフェクトがかかっているようなので、うるさいなとも思ったよ。松子はひたすら堕ちてゆく、自業自得で堕ちてゆく。原作ではドラッグにも手を染めてしまうのですが、それはなし。文庫で上下巻にもなる物語をエピソードをほとんど削ることなく130分で収めてしまうのはスゲー。それは1曲で1エピソード語っちゃうからなんですけど、まあBONNIE PINKさんが”どハマり”で予想以上のトルコ嬢っぷり。あ、トルコ嬢、トルコ風呂って表現については映画の最後に「当時の表現です」とあるのでいろいろありましょうが、そういうことです。BONNIE PINKさんのほか、キャスティングのセンスが尋常ではない。黒沢あすかさん、荒川良々さんはとくにビッタシ。伊勢谷友介さんにいたっては、アパートでの登場シーンに震えたよ。そして終盤、これも原作にはない部分、映像ならではのシーン、ここに参っちゃった。あとひくねー。われわれ観客は松子とともに死んでゆくのです。いやー『下妻物語』は観たあと人に薦めたくなったけど、これは自分の胸のうちから出したくないわ。あとからジワジワ来る。そしてこの作品で光GENJIが浮かばれたのでした。パンフレットは700円でして、なかなか充実の内容でミニシアターのやつみたいね。中谷美紀さんは「Happy Wednesday」んところがベスト可愛い。そんな中谷美紀さん、撮影時の日記が一冊の本になりました。

嫌われ松子の一年

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