カバ子さん大いに歌う。『ドリームガールズ』

オスカーがもうすぐ発表されるので、候補作を観たい気持ちがムラムラ。ならば大好きジャンルである音楽系の『ドリームガールズ』は行っておかないといけません。ほんで観てきましたのです。1981年初演の同名ブロードウェイミュージカルがもとになっていて、女性コーラスグループのドリーメッツが売れていって、ドリームガールズとなり、男を取り合ったりケンカしたり歌ったりするんですよ。その映画化ですから、音楽がたっぷり。しかし観ながらテンポが悪いなあと感じました。コーラスグループが売れていくのですから、彼女らの曲を歌うのはいいんですけど、ストーリーを進めるところでミュージカルになるのが、なんだか間延びしていてだるかったです、前半は特にそう感じましたね。映画ははじめからアポロシアターのアマチュアナイトよろしくけっこう飛ばしてまして、これにいきなり乗り遅れた感あり。ドリームガールズのリードシンガーを交代するところで「♪私たちは家族の木だよ、根っこが太いよ、ホイサッサ」みたいな歌を歌いますが、このあたりで置いていかれちゃいました。ドラマ部分は歌わなくてもねえ、オペラ座のそばに住む仮面の男の映画もこんなんだったな、苦手なパターン。そしてオスカーの有力候補と言われているジェニファー・ハドソンさんの見せ場、仕事をサボったのに強気な「 And I Am Telling You I'm Not Going 」を歌い上げるシーン。ここは「圧」が凄かったですね、鼻先で歌われたジェイミー・フォックスさん頑張りました。この曲ってあのビアンカ・ライアンさんがオーディション番組で歌った歌じゃん、と過去ログをあさったらまだリンクが生きていたのでまた紹介しておきます。（動画）ビアンカ･ライアンさんが歌う「 And I Am Telling You I'm Not Going 」ねえ、どうでした？憎たらしい顔してましたね。こういう顔した人が歌う曲なのかしら。そしてなぜかジョン・リスゴーさんがちょっと出てましたね。久しぶりに見たら、知らぬ間に”とろろ昆布”とコラボレーションしていましたよ、コラボここに極まれり。ビヨンセ・ノウルズさんはキュート、エディ･マーフィさんのピアノに合わせてステージ裏でリハーサルをするところ、コーラスで入る第一声からキュート。たしかにジェニファー･ハドソンさんの方がインパクトはありますし、オイシイ役ではありますけども、充分ですよ。一方ジェイミー・フォックスさんは、汚い手を使ってでも売れてやろうという”悪のオーラ”みたいなのが薄かった、顔の造作が薄いってのもあるかも知れない。エディ･マーフィさんはやりきった感があるんじゃないでしょうか、歌もんまい。ダニー・グローバーさんは大好きな俳優で、出演してるのを知らなかったからラッキー。そんで結局私が一番乗れたのがエンドクレジットなんだものね、ああいう風にスカスカパタパタン！とテンポよくみせてくれてもいいじゃない。ちょっと自分の期待していたのと違ったですけど、ステージのシーンは迫力ありますので、劇場で観るべき作品であります。