チュインチュイン映画の新たな金字塔『トランスフォーマー』

邦題:『トランスフォーマー

原題:『 Transformers 』

原作:

製作会社:ドリームワークス パラマウント・ピクチャーズ

監督:マイケル・ベイ(『バッドボーイズ』『ザ・ロック』)

脚本:ロバート・オルチ アレックス・カーツマン

出演:シャイア・ラブーフ ミーガン・フォックス ジョッシュ・デュアメル レイチェル・テイラー バーニー・マック マイケル・オニール ジョン・タトゥーロ ジョン・ボイト

日本公開:2007年8月4日(土)

小モーター(こもーたー)がチュインチュイン言う映画といえば『ニューヨーク東8番街の奇跡』が長年王座に君臨していたのですが、ここへ来てやってくれたよ『トランスフォーマー』。映画が始まると宇宙ロボット生命体の歴史についてナレーション、いきなりダルいぞ大丈夫か?と思わせておいて場面は現代のカタールへ。ここにある米軍の基地に正体不明のヘリコプターがやって来てメタンコやられちゃう、ついでに軍の機密データも持ってかれそうになる。同じ頃さえない高校生のシャイア・ラブーフさんは冒険家だった祖父の話を授業で披露、先生を含めて誰も食いつかなかったけれど泣き落としにて評価” A マイナス”を得、父親との約束を守ったのではじめての車を手に入れます。このオンボロのカマロ、売っている店でもいつ仕入れたのかわからないといういわくつき。でも店主がバーニー・マックさんなので当然こういう展開もアリになるのです。ここから大騒ぎの展開になるのですが、結局良いもんも悪いもんも何をしたかったのかワカラン。もの凄いエネルギーを持ったキューブがあんなにコンパクトになるのは何故?そしてこれ持ってどこに行こうとしていたのか、近くの街に持って行ったってどうにもならんと思うのですが。あと宇宙ロボット生命体のみなさんは、自動車とか飛行機とかの見た目をコピーするんですけどあの親玉は”素”の状態なのにかっちょいい飛行機になっとった、いいのか。でもそんなん全然いいんですよ。まったく持って問題ない。自動車からロボットになるのに意外と時間がかかって隙だらけになっても問題ない。ロボットになっても手がビーム砲になったり刃物になったりなんでもアリになっても問題ないのです。なぜならミーガン・フォックスさんがエロいから。アメフト野郎にぶら下がっていたミーガン・フォックスさんは、ひょんなきっかけでシャイア・ラブーフさんのカマロに乗り込みまして事件に巻き込まれますけど、だらしない口元とドロンとした目つき、カマロのエンジンルームを覗き込む時をはじめ、必要以上にボディラインを強調して見せていただけるので、ミーガン・フォックスさんだけ追いかけていれば良いとさえ感じました。というか平行して進む暗号解読チームのレイチェル・テイラーさんがなにもしてくれないので「てめえ金髪にしてりゃ、こっちがうずくとでも思っているのかよ」と画面に向かって毒づくのでした、確かにうずいたけどさ。肝心の CGI は自動車が走って → ロボットで戦って → 自動車で走りるブーブー。ってのがカットを割らずにあったような。まあとにかくいわゆる”実写部分との継ぎ目”ってのを意識させない。畳み掛けるような演出もあると思いますが、 ILM をはじめとした特殊効果スタッフの仕事ぶりはお見事。その最大の効果というのが、さんざロボットで暴れまわったあと、自動車になってただ単に道を走るシーン。ただ自動車が走るだけなのに、観客はそこにロボットのメカメカがぎっしり詰まっているイメージを持つのです。この説得力を持たせるにはあれだけの前フリが必要なのですね。おそらくこの映画を観たヤングは夜道を行く自動車を眺めるにつけ、こいつがロボットに変身するかもだぜと妄想するのでしょう。いいないいな。あとは政府の秘密組織セクター7のジョン・タトゥーロさんがズルく持っていくのが嬉しい。あのタンクトップは売り出すべきだろう。とにかく基地は破壊、都市は破壊という超好戦的な、この夏極上のチュインチュイン映画だぜ。冷房の効いた映画館のデカイスクリーンで、車検の無いアメリカの大ざっぱさに想いをはせつつ、ポップコーンをコークで流し込むのだ。