熊本さん ZERO 。『自虐の詩』
邦題:『自虐の詩』
原題:
- 作者: 業田良家
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 1996/06/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 業田良家
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 1996/06/01
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製作会社:『自虐の詩』フィルムパートナーズ
主題歌:『海原の月』安藤裕子
- アーティスト: 安藤裕子
- 出版社/メーカー: カッティング・エッジ
- 発売日: 2007/10/17
- メディア: CD
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出演:中谷美紀 阿部寛 遠藤憲一 西田敏行 カルーセル麻紀 岡珠希 丸岡知恵 アジャ・コング
日本公開:2007年10月27日(土)
公式サイト:【自虐の詩】
今はほとんどレヴューが更新されない映画批評サイトで、「〜20分で途中退出」とか書いてあるのを読んでなんてもったいないことするんだろうなんて思っていましたが、こういうことか。原作は映画を観る前に文庫版を買った程度なので、思い入れなんてほとんど無いのですが、いろいろ変えてますねなんでかな。イサオと幸江が暮らす場所が、東京から大阪。通天閣そびえる飛田ってチラッと行ったことありますが、けっこう独特のプレッシャーを感じるいろんな意味でのパワースポット。田舎が宮城県の気仙沼、これ原作だとどことは特定してなかったと思いますが、東北っぽくも無かったような。舞台はともかく、いちばん驚いて”?”と思ったのが中谷美紀さん演じる幸江の描き方。こんな感情むき出しで、社交性があってとなるとなんだか全然違う物語になってしまっているよ。原作では、暴れんぼうでヤクザな男にヒシッとしがみついて、まわりが「どうしてあんな男と別れないの?」となって、読んでいるこちらもなんで?となっていると過去の話が併走してきて、なるほどとなり、過去と現在がらせん状に絡み合って駆け上がって熊本さーんと終わる。でも映画はこの手続きをとらない、過去と現在が合わせ鏡になっていないのですから、観ているのが辛い。食堂の主人が遠藤憲一さんというのも、性欲が前面にうかがえてどうなんすかね?おそらく最後にかかるであろう安藤裕子さんの『海原の月』を聴くまではガマンガマンの鑑賞となりました。でも熊本さんに関しては、原作からブレることなかったですよ。キャスティングも少女時代がああだと、大人時代はこうなるよね?に応えてくれて、クライマックスもここで曲かかれよというタイミングで『海原の月』が流れ始めたのでそこは良かったです。だからラスト10分くらい。多作だから手抜きだとは思ってませんけど、堤幸彦さん……5年10年かけても映画化したいという監督はいたよねきっと。となると安藤裕子さんの主題歌はないですから、それはそれで複雑。熊本さん一点主義の方は必見、原作全体に思い入れのある方には辛いだろうなあ。