キンタマを持つすべての人たちへ。『007 カジノ・ロワイヤル』

今度のボンドは頑丈だぜ。ピアーズ・ブロズナンさんの降板により、今回はダニエル・クレイグさんが新ジェームズ・ボンドを演じました。この起用に関しては『007』ファンのみなさんは非難轟々だったとか。そういう方々も観たんだろうね、観たでしょ?たまげたでしょ。というか、文字通り体当たり演技をかまして壁をぶち抜く、予断も懸念をもぶち抜いてしまったのではないでしょうか。長くシリーズを続けると、マンネリに陥りまして、それこそがシリーズものの醍醐味でもあるのですが、やはり新規のお客さんを呼ぶとなると難しいことになる。そういった意味で今作はマーケティングに力を入れたのではないかと予想します、つまり観客ターゲットを”キンタマを持つ人”にしたわけです。ここさえ決まればあとはスイスイだ、キンタマ持つ人は「かけっこ好き」で「ギャンブル好き」で「ケンカ好き」で「車好き」で「飛行機好き」で「電車好き」で「女好き」だからなのさ。ストーリー的にはジェームズ・ボンドが”007”のコードネームを得た頃を描いております。そのためスマートさに欠けるんですけど、だからこそのダニエル・クレイグさんってことだと思いますので、このキャスティングは大成功ですよ。そして女運がいいんだか悪いんだかわからないのは、生まれついてのものなのでしょう、ブルンブルンさせるものはさせての大活躍を見せます。世界を股にかけますけど暖かいところを中心に股にかけてますので、薄着でありがとうございます。そして、股にかけすぎたのか災いしたのか……まあえらい目にあうんだわ、くわばらくわばら。ボンド・ガールはエヴァ・グリーンさん、パウダールームでのメイク・アップシーンが最強。アクションシーンは一つ一つが映画一本分くらいの魂とクオリティですが、空港のところが最強で一旦もう解決かと思わせておいて、状況を振り出しに戻すアイデアに悶絶。さあ『007』シリーズを観たこと無い方でも、ギャンブルのルールがわからなくても(ミートゥ)大丈夫。ついでに言うとキンタマ持ってなくても楽しめます。是非劇場でどうぞ。