乳首半スケのちフェードアウト『ザ・シューター 極大射程』

邦題:『ザ・シューター 極大射程』
原題:『 SHOOTER 』
原作:『極大射程』 スティーブン・ハンター
製作会社:パラマウント映画 ディ・ボナベンチュラ・プロダクション
監督:アントワーン・フークア(『トレーニング・デイ』)
出演:マーク・ウォールバーグ ダニー・グローバー マイケル・ペーニャ ケイト・マーラ イライアス・コティーズ
日本公開:2007年6月1日

原作から年代設定を大きく変えて、孤高の狙撃手ボブ・リー・スワガーにマーク・ウォールバーグさんをキャスティングしてグッと若返らせた。陰謀に巻き込まれ傷を負い、かつての相棒の恋人を訪ねると、夜も遅い時間でしたので簡単な格好というか、シャツから乳首が透けて見えるような見えないようないわゆる”半スケ”状態でケイト・マーラさん登場。こうなると当然ペロペロを期待するのに、なんということかペロペロなし。傷が癒えて二人の間にピンク的な空気が流れはじめて……だろう?ダーク・ディグラーが聞いたら泣くで。そして期待の巻き込まれ刑事、ニック・メンフィス役のマイケル・ペーニャさんは期待以上のものは無かった、必要以上の短足に見えたのは演技プランなのかなんなのか。悪役のダニー・グローバーさんはパンフレットのインタビューで「金のための出演」とも取れる発言をし、本編でもなるほどそうかもねと思わせる演技。手を抜いているわけじゃないのでしょうけど、必要最低限のことしかやってない感じで残念。そんななか唯一気を吐いていたのがジャック・ペイン役のイライアス・コティーズさん。爬虫類的な演技で、ケイト・マーラさんの首筋に幾度となく鼻先をこすりつけてました、そしてひどい目にあってました、おいしい役ということです。そしてイライアス・コティーズさんは間もなく公開される『ゾディアック』にも出演されているということで注目。原作は日本では文庫二冊で出るくらいのボリュームなのですが、映画ではけっこう忠実にエピソードを拾っていました。んが、んがしかし、やはり我慢して我慢して我慢してズドン、という狙撃のカタルシスは無かったかな。それでも二時間を越えちゃうんだよね、難しいところです。特に罠とわかっていて屋敷を襲撃するところ、絶対的な数の差での大ピンチをひっくり返すのは原作の白眉だったのでどう表現するかと楽しみにしていたら、ここはスルーでしたね、それでも二時間を越えるのか返す返す難しいですね。ラストのあれは続編を匂わせているのかしら?それにしてもレヴォン・ヘルムさんとの出会い率が高い、『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』でカラカラに乾いた老人を演じていて観終わるまで全く気付かなかったのですけど、また出てました今度も仙人みたいな役で。この起用のしかたはなんなのか。さて原作を読み返すか、冒頭の雪山での大鹿とのあたり。